気をつけてペンギン

デスクのわきのアクリルパネルに貼りつけられた金ちゃんヌードル1万円プレゼントの応募シール2枚をぼんやり眺めながらセブンイレブンのPBの炭酸水を飲んでるなう。炭酸水なう。応募シールなう。集まらないなう。1万円ほしいなう。応募できないなう。やる気ないなう。完全逃避中なう。なんか嫌になってるなう。なうなう。

逃避ついでの“なう”考 

・日々は“なう”の連続である

・未来は果てしなく続く“なう”の延長線上にある

・いや、果てしなくはなう、じゃなくて、ない

・わたしの平べったい視線じゃ果てが見えないだけ

・“なう”はわたしを未来へと押し流す

・”なう”は新たな“なう”を次々生み出す

・“なう”は“なう”を消費する

・“なう”はわたしを消費する

・しつくす

・しつくされるまでライフ ゴーズ オン

少しだけ想像してみる。

しなびて色褪せたたくさんの“なう”が、いかにもな顔でわたしの軌跡ヅラしてペタペタペタペタついてくる。まるで得意げなペンギンみたいに。

時々は容量の悪いペンギンが、うっかりわたしを追い越して、その黄色い足びれでぺたりとわたしの足を踏んづけるから、そのたびにわたしの胸が思い出にずきんとするの。

気をつけて、ペンギン