2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

雌雄異株がゆえの業

外出から戻ると庭で二羽の雀がしきりに何かをついばんでいるので、何かよほど思わずついばみたくなってしまうようなものでもあるのかと、玄関ポーチの前の階段 を上がりながら庭の方を覗き込んでみたのだけれど、何もなかった。雀とわたしの価値観の違いを…

幸せでお金持ちで健康のことを考える

1ヶ月あっという間だなあ。一年なんてすぐだからさ、嫌になるねぇ。とかなんとか、月初めの定例業務のたびに上司のおじさんが繰り返すのが、しみじみほんとだよね、なんて身につまされて同感同感なんて感じるから、それでこの間あの子に、ねぇ一年って早いよ…

やっぱ天罰だ

だめだ好きすぎる。 マッシュルームとたまねぎと、マカロニとベーコンと、堅焼きプリッツと絹ごし豆腐2丁の入ったスーパーの袋を提げて、すっかり日暮れた駐車場を歩きながら、なんかもうしみじみ、やばいくらいあの子のことが好きで好きで好きすぎちゃうよ…

2本目のプルトップを引き発泡する金色の飲み物に咽喉を冷す

天気予報どおりに雨が降ってきた。用があって尋ねた人は、少し薄暗い部屋で明かりもつけずに座ってて、「いいことってないね」なんて言うから「こんな薄暗い中に座ってたら、いいことなんかないような気にもなるでしょ」って笑う。 こんな天気の日はおでん…

ホットカーペットも、明るく白いカーテンも、この世界も、記憶さえも

冬支度をするのが好きだ。しまいこまれていた色々なものを引きずり出して、湿気と埃を払い、皺を伸ばし、太陽の光に当てる。そうしていると、まるで自分が何かを整えているような、箱庭みたいに小さな世界を、緻密で規則的な美しさに整えている神様にでもな…

カレーライスみたいなプライベート

図書館の駐車場に車をとめるのは久しぶりだ。どうして久しぶりかって、それは随分久しく図書館になんて来てないから。スーパーだとかJAにはしょっちゅう行ってるけど。大体わたし文化的じゃないもん。ああ、でも食べるのだって食文化って言葉があるから、そ…

どんな恋愛よりも

昨夜あの子は夜更かしをしたいからって宣言して、結局明け方4時までベッドに入らなかった。今日はあの子がバイオハザードが欲しいと言い出した。そんなこんなを呑み込んでいくのが、この先のわたしの母親のしての役務なんだろう。まだまだ半分以上は可愛ら…

ひとりエコーマスター

来客用駐車場にとめられた車の下で黒と白の柔らかそうな若い猫が、タイヤのかげから顔を覗かせたり、隠したりしてたので、もしかして触らせてくれるかなと思い、少しずつ舌を鳴らしたり、声をかけたりしながら近づく。呼びかけたら、可愛い声でにゃぁん、み…

あぶり出しの甲州街道銀杏並木

正直なところチョコレートなんてあんまり食べたくもないけど、糖分でも取れば少しはこのふやけた体調不良が治るかもと板チョコをパキパキ折って口に入れる。コーヒーの苦味とチョコレートの甘さを口の中で混ぜ合わせながら、やっぱり今日はあんまりチョコレ…

歯が痛い

色々思ったり感じたりすることはいっぱいあるんだけど、そういうのってあくまでわたしの思ったこと感じたことっていうそれだけでそれ以下でもそれ以上でもないんだよみたいなすごくクローズドな考えというか美意識というかプライドというか背骨というか。自…

わたしは知らない

ふと視線をあげたら、壁にかけたフォトフレームの可愛らしい形に切り抜かれたいくつものあの子の写真が心なしか色褪せて、なんだかもう随分と昔々の写真のようになっていた。どんなに可愛らしい笑顔も、どんなに愛らしい仕草も、静止したままコトリとも音を…