2004-06-01から1ヶ月間の記事一覧
見るともなしにテレビをつけながらコーヒーを飲んでいました。 スポンサーの名を読み上げる女性アナウンサーの声に「ん?」って思いテレビ画面を見ると「カネボウ化粧品」の文字。「ああ、そうかカネボウ化粧品か、そうだよな」って一人納得。「金儲け商品、…
お腹すいた。疲れた。ご飯食べたい。月曜日ったらなんかろくなことない気がする。ほほほんとブラックマンデーいえブルーマンデー。性格の悪いロビングッドフェロウが意地悪して青色のペンキをべたべたべたべたそこいらじゅうに塗って歩いたみたいな感じだ。…
ジャニス・ジョプリンが搾り出すようなしゃがれた声でサマータイムを歌うのが聞こえた。19歳の自分にいきなり呼ばれたみたいな気がして、飲みかけの缶ビールを床に置き、びっくりして振り向く。赤いフォーミュラーカーがスローモーションで映し出されるTV画…
雨と一緒に憂鬱も降りそそいでくる金曜の朝、いつも駅の窓を押し開ける女のホームレスはまだ眠っていた。通路脇の観葉植物のポットを並べるための場所の縁に微妙なバランスで腰掛けながら。横になって眠ることはあるのだろうか? 窓際にきちんと整頓され並べ…
今日も見ず知らずの人間から届いたハガキをチェックする。時々気持ちが悪くなる。この人は病気なのだろうか異常なのだろうかと、そう思う。そんな人はいっぱいいる。飽き飽きするほどいっぱいいる。誰もが自分を認めてもらいたくて自分だけが認められる価値…
まだホームレスになって日が浅いんだろう。多分は30代、ごく普通そうな女の人。いつも朝、わたしが出勤するくらいの時間になると、西口から東口に抜ける広々とした通路の脇にしつらえられたスロープのところにいて、スロープの向こうの一面のガラス窓のうち…
しょぼついた雨の朝ふと思う。窓に簾をかける季節がやってきた。 簾越しに部屋の中へ侵入してくるこの季節の湿った土の匂い草の匂い。それがわたしの脳みそをひたひたくたくた台無しにする。簾越しの微かな雨降りをぼそぼそいう雨だれの音やこっそり体に纏わ…
いいお天気だから張り切って洗濯して掃除してピアノ教室に行って帰りにはチョコスプレーのかかったソフトクリームと出目金を2匹買い、それからあの子と喧嘩し、ついでにリビングの模様替えをして庭木の手入れまでしてやった。どうだ参ったか。でも誰も参ら…
陳腐で手垢がいっぱいのオリジナルを星のように得意げに掲げてみたり。 オリジナルは3件先の大きな家で飼われてる行儀の悪い犬が散歩の時にくわえて逃げて行ってしまったのでおかげでなんだか清々した気がするんだけれど、まぁ今はオリジナルのことなんかう…
眠る前にお話をしてくれるのはいつも父の役目だった。かすれたような小さな声で昔々のおとぎ話。それから多分は父の創作だった「足の不自由なお化けと耳の不自由なお化けの話」それはとても優しい慈愛に満ちたお話で今でも思い出すと少し涙ぐむ。偏屈でいつ…
10代の終わり頃、今思えば呆れるほどわたしはたくさんのコカ・コーラを飲んだ。 喉をスルーしてゆく時のあの焼け付くような特有の感覚が、いつでもわたしの細胞の一つ一つに何かの刻印を残そうと粘膜を鮮烈に苦しめ苛み、ぎゅっと眉をしかめさせた。プシュ…
尖ってる。尖ってる。 だけどこの世の中はまん丸でつるつるすべすべ角もなく ほんの少しのほころびやささくれすらなく どこにも引っかかれやしないから がんがんぶつかってぶつかって延々ぶつかって それからいつか疲弊して 尖ったぽんこつになる。
人はブームで生きてるわけじゃない。ブームは短いけど人生だって歴史だってそこそこ長い。朝から番宣に文句を言う。文句を言っても意味ないけどね。でもとりあえず言う。 水槽の片隅の何かに引っかかってまた金魚が1匹死んでいた。 「ねぇ金魚が死んでるよ。…
雨はまあるい空から降りてくる。 炎症を起こした喉粘膜の不快感。油を差し忘れられた旧式ロボットみたいにギクシャクする体。ちょっとなみだ目。まぁでも日常生活に差し障り無し。何とか動けそう。ご飯も食べられそう。コーヒーだって飲めそう。ラッキーいた…
もうじき梅雨だから洗濯物を干したり布団を干したりベッドマットをひっくり返したり自分も伸びしたりそれから腕や足の関節が痛くなったりあの子の足の裏をくすぐったり。ちょっと忙しいの。 昨日の夜豆武士どもの「やぁ」だの「めーん」だの、ぴよぴよ声の剣…
「自分のことを棚にあげて他人を批評するのは自分を賢人のごとく装う最も容易で効果的な方法である。ただしそう見せようとする相手つまり観衆がアホばかりのときに限る」 というのは「ツァラトストラかく語りき」、いえ最近では「ツァラトストラはこう言った…
いつもより少しだけ遅い時間までだらだらと缶ビールを飲みながらBSの古い映画なんかをぼんやり見ていると、なんだか自分がいつの間にかなくしてしまったものをいやに親しく思い出してしまうから少し困る。まるで人間みたいに生暖かい体温を持った思い出たち…