わたしはこう見えて意外に、ってか見えないじゃん、見えないだろうから勝手に言うけどこう見えて意外に縁起かつぎさんなので今日は100エンショップに行ってアイボリーの白い皿、というか無地の小鉢を買い込んで家々のそこかしこに塩をこんもり盛ったのだった…

自分以外の人は誰も彼も一人残らず幸せなのに違いない。そう思う日もある。向こうの家のベランダに可愛らしいプールセットが干してあるどこかで「ただいま」と子供の声がするそんな日うちではヤドカリが死んだ。水入れの中に落っこちて体をずんと外に伸びだ…

夜中に目を覚まして「喉が渇いたの」って言うあの子と一緒に眠い目をこすりこすりあ～あ面倒くさいななんて思いながら、キッチンへ。虫歯になるからジュースは駄目だよ麦茶だよって、冷蔵庫にはいった冷たい麦茶を出してコップについであげたらあの子が片手…

わたしにもたれてビデオを見てたあの子が小さな手のひらをまあるく膨らませてそっと合わせて見せるから「何か入ってるの？」ってささやくように指差して訊いたらちょっと笑ってひらいて見せたその手のひらに小さなかわいい落書きが見えた。それがかわいくっ…

エクセレーントなわたくし今年の夏も華麗なるサマーバケイションを海外で過ごしてまいりましたの。たった今南仏ニースより帰国して空港に降り立ったばかりですのよ、おほほ。なーんて言うことはまったくなく、ふ～んハイウェイオアシスってこれまでのパーキ…

大きな交差点で右折の矢印がもう消えちゃってるのにいたずらっぽくけらけら笑いながら、ばびゅーんってすごい勢いで右折して行った原付バイク二人乗りの若くておしゃれでちょっと蓮っ葉な感じの綺麗な女の子達が妙にかっこよくって、それで後ろに座ってたミ…

夫の父と母が住む街。 古城を臨む大きな川沿いの道をそれとは反対の方向に線路を横切り曲がって行くと道はまもなく山家の風情に細く曲がりくねりそれでもいっぱしの観光地らしくところどころ観光スポットを案内する看板やら観光バス用のだだっ広い駐車場やら…

急ぎ足で歩く帰り道いっそこのまま空気にすうっと溶けてなくなってしまえたらいいのになんて、いつだってそんな気持ちで生きてきたのにそれなのにどうしてこんなにも簡単に人間って忘れちゃうんだろうとてもとても大切なこと。忘れてしまう忘れてしまえる地…