2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

強い風

ひどく強い風が吹きつけてくる。 一体丸い地球のどこから、こんなにも一直線に強い風が吹きつけてくるんだろう。本当に地球が丸いのなら、強い風なんてみんな空へ飛んで行ってしまうはずなのに。 結局のところ、地球が丸いなんて案外嘘なのだ。 それからひと…

なんだかここ数日釈然としない夢ばかりみる。目が覚めてしばらくの間は、その釈然としない夢の中でも、ことさら釈然としない場面ばかりが思い浮かび心が落ち着かない。 怖いのか、嫌なのか、不思議なのか、なんでもないのか、いったいその夢をどう定義したら…

たまらない

もぐりこんでたんだよ。そう言いながらあの子が顔を出した。もぐりこんでたのかとわたしは思った。なるほどと思ったのか、どうでもいいと思ったのか、その点については考える必要もないことだ。そう思ってそれきりもう何も言わなかった。 黒猫が庭に入り込ん…

千と千尋とあの子

夾竹桃はこんなにも綺麗な花だったんだろうかと、白と千尋の歩く径の両脇に高く生い茂げ咲き誇る色とりどりの夾竹桃の花を見るといつもなぜだか少し悲しいような泣きたいような気持ちになってしまうのだけれどそれを誰かにうまく説明しようとして色々考えた…

朝起きたらなんだかまた右耳が詰まっちゃった感じがしたので病院へいく。耳の中をじっくりのぞかれ、それから聴力検査をして、結局異常なし。今のところ問題ありませんよ。治療の必要はないようです。物静かな医師が物静かに言った。 少し神経質になりすぎか…

もうもう

牛模様の牛がもうもうと土煙を上げて突進してくるのだ。そこで私はメンソレータムを武器に迎え撃つ。牛だってメンソレータムを黒い鼻づらに塗り付けられるのは嫌なのだ。ましてや目の周りになんて塗られた日には、それはもう牛悶絶、ぎゅうの音も出なければ…

おはよう

白む白む白む。朝は白む。天気のいい冬の朝の白みっぷりといったらない。白みすぎて厭味ったらしい白熊みたいだ。 「がほ?」いきなり名指しにされた白熊が素っ頓狂なうなり声でこっちを見る。すごく不満そうな顔で、すごく恨みがましい顔で。ふふふ、白熊は…