2008-01-01から1年間の記事一覧

メリークリスマス

12月24日。朝、車のエンジンをかけたら、カーナビのお姉さんに笑わない声で「メリークリスマス」と祝福される。「Thanks。サンクスはコンビニです。でもクオカードはセブンイレブンとファミリーマートでしか使えません。それにわたしは今から仕事へゆくので…

べつに妨げにはならない

ニュースキャスターが悲壮で深刻な問題を懸命に知らせた数分後に、華やかな笑顔と衣装に身を包んだ芸能を生業とした老若男女が、この世に困りごとなんかひとつもないかのようにきゃぁきゃぁ楽しく騒ぎたてる、そんなこんなの現実をどう理解し消化するべきか…

スキップ

流星の絆の最終回を夢中になって見ている振りをしながら、将棋をさすあの子の横顔をちらちら見てる。ほれてまうやろ~!なんちゃって。でもそれくらい素敵。少なくともわたしにとっては。それにしても流星の絆の最終回、意外につまんなかった。ちょっとがっ…

ジャンヌダルクは麦のプールで

せっかくにブログをやっているのだから、たまにはひとつワールドワイドに情報を発信しようとか一念発起するも、今ひとつワールドワイドに発信する情報もな く仕方なく居酒屋でホッケの塩焼きをつまみに生中を飲みつつ法華経を唱えるそういう毎日。それでも…

わたし きょう こんなふう でした

炬燵でごろごろしているうちに眠ってしまった。というか眠っちゃおうって最初から心に決めて炬燵にもぐりこんだ。今日は珍しく、あの子の友達が誰も遊びに来なかったから、そのおかげで久しぶりにとろけるようなお昼寝が楽しめた。わたしが寝入る前、あの子…

それはひどい妄想だよとか誰かに笑われても

アクセス元IPを見るのが好き。 クローラ相手に日記書いてるみたいじゃん、なんて笑っちゃう時もあれば、IPの示す割当国や都道府県名やホスト名を見て、どんな人がどんな気持ちでどんな景色の中、この日記を読んでるんだろうなとすごく不思議な気持ちになっ…

ジョンレノンとジミーペイジ

朝、めざましテレビでジョンレノンのことを言っていたので、ああそうかあの事件は12月だったのかと思い、イマジンを聞きながら出勤する。この事件の起きたときには、音楽好きの人は妙に興奮して、あれやこれや、オレはおかしな予知夢を見たのだとか何とかて…

愛されるなんていうと

愛されるなんていうと、まるで誰かから自分に向けて愛を注いでもらうみたいなことをつい考えがちだけど、実は全然違ってて、愛されるっていうのは、自分が相手に注いだ愛を受け入れてもらえるってことなんだって、それを何となくの感覚じゃなくて言葉に変換…

雌雄異株がゆえの業

外出から戻ると庭で二羽の雀がしきりに何かをついばんでいるので、何かよほど思わずついばみたくなってしまうようなものでもあるのかと、玄関ポーチの前の階段 を上がりながら庭の方を覗き込んでみたのだけれど、何もなかった。雀とわたしの価値観の違いを…

幸せでお金持ちで健康のことを考える

1ヶ月あっという間だなあ。一年なんてすぐだからさ、嫌になるねぇ。とかなんとか、月初めの定例業務のたびに上司のおじさんが繰り返すのが、しみじみほんとだよね、なんて身につまされて同感同感なんて感じるから、それでこの間あの子に、ねぇ一年って早いよ…

やっぱ天罰だ

だめだ好きすぎる。 マッシュルームとたまねぎと、マカロニとベーコンと、堅焼きプリッツと絹ごし豆腐2丁の入ったスーパーの袋を提げて、すっかり日暮れた駐車場を歩きながら、なんかもうしみじみ、やばいくらいあの子のことが好きで好きで好きすぎちゃうよ…

2本目のプルトップを引き発泡する金色の飲み物に咽喉を冷す

天気予報どおりに雨が降ってきた。用があって尋ねた人は、少し薄暗い部屋で明かりもつけずに座ってて、「いいことってないね」なんて言うから「こんな薄暗い中に座ってたら、いいことなんかないような気にもなるでしょ」って笑う。 こんな天気の日はおでん…

ホットカーペットも、明るく白いカーテンも、この世界も、記憶さえも

冬支度をするのが好きだ。しまいこまれていた色々なものを引きずり出して、湿気と埃を払い、皺を伸ばし、太陽の光に当てる。そうしていると、まるで自分が何かを整えているような、箱庭みたいに小さな世界を、緻密で規則的な美しさに整えている神様にでもな…

カレーライスみたいなプライベート

図書館の駐車場に車をとめるのは久しぶりだ。どうして久しぶりかって、それは随分久しく図書館になんて来てないから。スーパーだとかJAにはしょっちゅう行ってるけど。大体わたし文化的じゃないもん。ああ、でも食べるのだって食文化って言葉があるから、そ…

どんな恋愛よりも

昨夜あの子は夜更かしをしたいからって宣言して、結局明け方4時までベッドに入らなかった。今日はあの子がバイオハザードが欲しいと言い出した。そんなこんなを呑み込んでいくのが、この先のわたしの母親のしての役務なんだろう。まだまだ半分以上は可愛ら…

ひとりエコーマスター

来客用駐車場にとめられた車の下で黒と白の柔らかそうな若い猫が、タイヤのかげから顔を覗かせたり、隠したりしてたので、もしかして触らせてくれるかなと思い、少しずつ舌を鳴らしたり、声をかけたりしながら近づく。呼びかけたら、可愛い声でにゃぁん、み…

あぶり出しの甲州街道銀杏並木

正直なところチョコレートなんてあんまり食べたくもないけど、糖分でも取れば少しはこのふやけた体調不良が治るかもと板チョコをパキパキ折って口に入れる。コーヒーの苦味とチョコレートの甘さを口の中で混ぜ合わせながら、やっぱり今日はあんまりチョコレ…

歯が痛い

色々思ったり感じたりすることはいっぱいあるんだけど、そういうのってあくまでわたしの思ったこと感じたことっていうそれだけでそれ以下でもそれ以上でもないんだよみたいなすごくクローズドな考えというか美意識というかプライドというか背骨というか。自…

わたしは知らない

ふと視線をあげたら、壁にかけたフォトフレームの可愛らしい形に切り抜かれたいくつものあの子の写真が心なしか色褪せて、なんだかもう随分と昔々の写真のようになっていた。どんなに可愛らしい笑顔も、どんなに愛らしい仕草も、静止したままコトリとも音を…

5?

この日記をかきはじめたのはいつだったのかなと思って確認したら、開始2003年11月10日とあったので、もうかれこれ5年も、ここで日記を書き続けていたのかとちょっと驚いた。こんなに長く続けられるとは夢にも思わなかった。ここで日記をかきはじめるまえに…

Someday My Prince will Come~ぼろぼろな駝鳥

もう12年ぐらい前の冬生後2ヶ月ほどのあの子を抱いて、薄く暮れてゆく部屋、明かりもつけずにこの歌をまるで何かのまじないのように歌った。一体誰に対してのまじないだったのか。あの子とわたしはゆらゆら静かな影になって、薄暗がりの部屋の片隅の壁に揺…

はて。

複数の会社の顧問をしてるらしい、実態はちょっと謎の顧問のおじさんの、きわめて真実なのか大風呂敷広げてるのか判然としがたい話をお付き合いで、はいはいとききながら、「怪僧ラスプーチンばりの暗躍ですね」なんてちょっとリップサービスを挟んでみたけ…

無力だったり奮い立ったり

幸せなのか幸せでないのかよくわからないけど、とりあえず2本目の缶のプルトップに手をかける。胃薬がチェイサーなのか、それともビールがチェイサーなのか。 チェイサー。なんかすごくかっこいい。まるで草原で身を低くしてガゼルに襲い掛かるそのときをう…

短い夢

玄関ポーチのすぐ脇のツゲの陰の暗闇に、金色の丸いものがふたつ光っていたので一瞬どきっとしたけど、相手もドキッとしたらしい。慌てて逃げていった。最近よくやってくるまだ大人になりきっていない黒猫だ。ぱちんと弾けて二酸化炭素のガスとともにほうき…

蟷螂

茶色の蟷螂がおかしな風に片手の鎌を折り曲げて小さな蝶だか何かをむしゃむしゃと食べていた。剪定した樫の枝葉のひとつを70Lのゴミ袋に入れるため持 ち上げた一枝に、食べることにあまりに夢中になっていたのか、それとも元々鈍感なのか、蟷螂は自分の乗っ…

オレンジ色の毛布

改札を出て左へ曲がったすぐのところに、オレンジの古びた毛足の毛布に包まった、グレーの豊かな髪を持った痩せた初老の男が、何もかもを超越した預言者のような顔つきをして、通路の壁にもたれて座り3メートルほど前にある通路の反対側の窓のあたりをじっ…

西の空のあの紅く染まったあたりで渾然と

幼い頃のあの子の姿をふと思い出したら唐突に哀しくてたまらなくなってしまって咽喉から何かが鼻と目を通ってつーんと空へ抜けていった。空へ抜けていってしまった哀しみを目で追って少し紅く染まりかけた空を見てたら、ああもうあんなに可愛かった小さなあ…

虚弱なわたし

今日は朝からケータイがじゃんじゃらじゃんじゃら鳴りっぱなしで、てっきりアラームかなんか間違えてセットしちゃったのかなと思って、渋々ベッドを抜けてバッグの中からケータイを出してみたら、あの子の学校の連絡網用のメーリングリストから、全く同じ内…

別に駄洒落じゃない

見事に晴れた。そんなに晴れなくったってさ・・・って小石でも蹴りたくなるくらい、見事に晴れあがった。えーっと、それって何かのメッセージですか?たとえば何か重要な政治的な秘密のメッセージとか暗号とか。すこーんと抜け上がる青い空に向かって尋ねて…

シンラコウの馬鹿

今日の朝、あの子はまるで台風をお迎えに行くみたいに西へ向かい行ってしまった。ねぇ、信じられる?台風がやってくるのにわざわざ台風に向かって行っちゃったんだよ、そんなのってあり?延期にしてくれたらいいのに、もっと別の日にしてくれたらいいのに、…