2015-01-01から1年間の記事一覧

渦巻き雲

渦を巻いた雲が夕暮れ前18時38分ごろの空に出ていたから、あの渦の中心のちょうど真下にいったら、どこかへ行けるんじゃないかなって思った。だけどあそこまでどうやって行ったらいいのかもわからない。それで仕方ないからどこかへ行くのはあきらめて家へ帰…

やまない雨とべたべたの蒸し暑さ

今日でもうひと月、やまない雨が降り続いている。 というフレーズが、このところずっとわたしの頭から離れなかったのだけれど、何やら昨日くらいから唐突に雨があがり、凄まじくべたべたの蒸し暑さがやってきた。 あがることのない雨と、凄まじい蒸し暑さ。…

冬より夏のほうが子供の頃のことをたくさん思い出す。蛍をとりにいったこと。とってきた蛍が虫籠から逃げたこと。逃げた蛍を母が掃除機で吸ってしまったこと。怒るわたしに、もう死んじゃったよと言ったこと。夜、外灯に集まるカブトムシやクワガタを兄弟や…

ゲット ペンギンズ グルーブ

雨降り。なめくじとまるむしがのそのそとわたしの眼前を横断してゆくこの素晴らしき世界の真ん中で、胃薬にひどくむせながら、いろはすのペットボトルをべこべこさせて喉を潤す。心と目じりとぼんじりはかさかさだけどね。いや、ぼんじりの悪口は言うまい。…

繋がるとか繋がらないとかの春

繋がるとか繋がらないとか、そういうことが人生の命題になってしまっている春、散る散る桜のチルチルミチル。繋がれば面倒くさくて息苦しいし、繋がらなければ寂しいし。なんか面倒くさいよねって思うけど、そんなどっちつかずのしょぼい感じがリアルに普通…

Whole

おおきな雪がひらひらと、この土地には珍しく次から次へと庭に舞い落ち黒いむき出しの土を白く覆い始めた。窓越しにぼうっと眺めながら、積もったら困るなって言ったら、あの子がいかにも故郷をおもって雪を見つめるといった風情の後ろ姿にして、ぺんぎんの…