2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

日焼け

シャワーを浴びながらふと見ると足の甲にはっきりとサンダルの日焼け跡がついていた。腕や首にはしっかりと日焼け止めを塗って出かけたのに、ここだけ忘れてた。シャワーのお湯を足の白い部分にじーっとあててみる。あぶり出しとか、熱で色が変わるとかそう…

ドラッグストアでマニキュアを選んでいたらわたし随分頼りない女の子になりはててた。色とりどりのマニキュアの小さな壜を吐く息で曇るくらいに覗き込み、どのキャンディーがいい?なんて訊かれた小さな女の子みたいに夢中で真剣に選んでた。それからまた夢…

べつに、だもん

5月は埃と喧騒にまみれひどく下世話に過ぎ少し脳みそがただれてこぼれてきそうになるのだけれど、いっそそんな脳みそならこぼれてしまってもいいのかもしれないと半ば投げやりでスノッブな頭の悪い10代の子供みたいな風をして白けた顔で「べつに」なんて…

オカヤドカリ

あいつらがこの家にやって来てからというもの家の中が微かに磯臭い気がしてならないのだ。 時に静かな部屋にコトリとなにか硬いものが落ちる音などが響き渡りどきりとして振り向いた折にもやはりその不穏な物音の出所は確かに去年まではアトラスおおかぶとの…

とんずらしたわたし、やややと恐れをなし退散

雑草とはいえ小さな色とりどりの花を懸命に咲かせているのを見ると摘み取ってしまうのは忍びない。おかげで毎年この季節小さな庭は小さな花をつけた雑草だらけになってしまうのだけれど、ふとその雑草の葉陰などをのぞくとそこには幾匹もの小さなまるむしど…

侵食する

キモイマンって気持ち悪いなって思ってたらいつかなにかの場面でかつらをかぶったキモイマンをみて全然気持ち悪くないことに驚いた。髪の毛があってスマートだったら意外にかっこいいのかも、そう思って不思議な気がした。ほんとにキモイのはキモイって言葉…

随分といやらしいお星様ね

不毛に忙しく火花がパチパチはじけとびそれがいつの間にか発火して高温の青い炎でシューシュー燃えてしまったのであとはカルシウムすかすかの寂しい白い骨ばっかになり果ててさてこれからどうして肉付けしていこうかと少し頭を悩ますのだけれど悩んでもいい…

体操服

どこか向こうのほうでどどどうって音がした気がしたから洗濯物を干す手を休めてお日様の眩しさに目を細めながら振り向いてあたりの空を見てみたらざざざと風が吹いてきてああさっきのあのどどどうって音はきっと風の生まれた音だったんだって納得した。風は…

春季大祭

「すみません」 すみませんだなんて言葉だけでほんとはこれっぽちもすみませんなんて思ってなさそうな尖った声に振り向くと、そこにはさっき奥の院の大きな椎木の辺りで見かけた、体の小さな老齢の女の人を乗せた車椅子を押す若い女がその口調のまま苛立ちを…

ピンクのなまこは"平日"と何回繰り返したか

貧しさに負けて平日はしぶしぶ働いているので、平日に家にいることなんて滅多になく、平日やるべき用事もないのに暇にして家にいるなんて普段ならそれはもう仕事をずる休みしたのに違いないのだけれど、連休の中日の平日、珍しく正々堂々と仕事も休みで、う…

5・2 怒りのラーメン事変

明らかにわたしたちより後から入ってきた隣の席の男女二人連れとこれまた明らかにわたしたちより後に入ってきたわたしの背後の席に座ってる中年女性の席にラーメンやら餃子が出てきたのだよ。ええ?それでわたしは黙っていられなくなったんだけどね、店員の…

続けてく

新聞のお天気欄で見たとおり、吹く風は確かな雨の予兆を孕み、目を凝らしてみれば予備軍として送り込まれた細かな雨粒の粒子の跳ね踊るさままでも空気の中そこかしこに見えるような気さえするそんな朝。干しかけの洗濯物に湿気を含んだ風が纏わりつきそれか…