2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

不条理なニッキ

お山のてっぺんにある大きな神社の駐車場を冷たい向かい風にふかれて歩いていたらふと自分は一体どこから来てどこへ行くんだろう花は流れてどこどこ行くん だろう人も流れてどこどこ行くんだろうとほんの少しむなしいような気持ちになってセンチメンタルジ…

犬の寝顔

まだ綺麗で新しい南仏風の家の駐車場の隅っこに、お世辞にもリッチとはいえない毛並みのベージュの雑種犬が一匹、春の日差しの 中、両の目をただ一本のゆるんだ線のようにしてまどろんでいた。少し目じりを垂れ下げて、微かに微笑んでいるかのようなその老…

手のひら

まだ私が二十歳そこそこだったころ、ある母の知人のお宅へ母といっしょにお伺いしたとき、その知人、当時で40代 くらいの女性の方だったのですが、愚痴というでもなく、気負ったかんじでもなく、お茶を飲みながらなんだか妙に一方的に話してくださったお話が…

おいしい料理

半月の間に2度、すさまじいほどの招待メール攻勢に半分辟易しつつ友達の家へ彼女の言うところのホームパーティーに出かける。独身で少しイレギュラーな家 族構成で暮らす彼女は、いつも晩ご飯は自分がつくってるんだよ。もうほとんど主婦、的な発言を常々し…

1票の重み

象牙の塔へ行く。わたしが出あった象牙の塔の住人でどこへ行ってもまともで通りそうな人は3人。7分の3はまとも。7分の4は軽くやばい。帰路、果たしてわたしは象牙の塔の住人になりたいのだろうかとしばし自問自答。なりたくないが6票、なっといたほうがいい…

それが多分幸せなんだとそう思う

土曜日。ドラえもんが始まる前にほんの少しだけ流れたクレヨンしんちゃん映画の予告編を見てはからずも涙ぐむ。シロの真っ白な毛並みとけなげさは美しい。 本当なら封切日に「ドリームガールズ」を観にくるはずだったこのシネコン。あの子のインフルエンザの…

さえない

港へ向かって走るといかにもウルトラマンに出てくる怪獣たち好みの破壊しがいのありそうな形の丸い大きなタンクが姿を現し、船にコンテナを積み込むための 赤白に塗り分けられた巨大なクレーンが視界に入る。この距離なら時折朝まだ明け切らない時間に船が出…

ぼこんのシンク

餃子を焼きながら少したくさん水をいれすぎちゃったなって思ってフライパンから少しだけシンクにお湯をこぼす。随分唐突にそれでもきっぱり と、シンクがぼこんと間抜けな大きな音をたてる。久しぶりだなってそう思う。シンクがぼこんって音をたてるのをき…