2014-01-01から1年間の記事一覧

よんれんきゅう

秋の青くて高い空がぴんと張りつめてるのを見上げて、ああ、あれだけ張りつめてたら、ほんのちょっと軽く剃刀で撫でるように切るだけで、ザクロみたいな中身がとびだしてくるんだろうなって、そんなふうに想像してたあの頃は、なんだかすごく苦しくて仕方な…

めぇ

わたしって頑ななのよ、って呟いたら、電柱の裏から猫が目配せしてきた。頭の上から耳を生やした片方のひげが切れ毛の縞猫。月夜の夜だから今日は6割増だよって、恩着せがましくのしのし歩いて寄ってきた。のしのし。 今日は金曜日の夜だから、少し夜更かし…

そのもの

月とか見ながら焼き鳥を食べたいのだ。いや、月を見ながら焼き鳥とか食べたいのだ。いや、月とか見ながら、焼き鳥とか食べつつ、ビールが飲みたいのだ。いや、ひとりぼっちで月を見ながら焼き鳥を食べ、そしてビールが飲みたいのだ。串を横にして歯を立てて…

とか、ね。はぁと。

たまには日記をしたため、このわたくしのリア充自慢をせねばと思うのだけれど、よくよく考えたら、というかよくよく考えるまでもなく、わたしはリア充でも増してや、リア王でもないのであった。はっはっはっ・・・ 括弧w括弧閉じる。 リア充でもなくリア王…

ほげらふにゃ化のひと

日が暮れたらビールを飲む。 ということがすっかりプログラミングされてしまい、これではあかんあかんと思いつつも抗えない。 酒をくらってしまうと何があかんのかというと、脳みそもからだもすべてがゾル・ゲル・ゾル・ゲルとほげらふにゃ化してしまうとい…

ペロンぺロンの横歩き

湿気てる。朝から全力で世界が湿気てくるので、わたしも負けずに全力で湿気かえしてる。ペロンぺロンと湿気ながら横歩きに歩いて、湯気たちのぼるキッチンの鍋の中、茹であがったジャガイモをぎゅうぎゅうと押しつぶし、おもむろに粉を混ぜたら捏ねて、ちぎ…

封じる

あの子のために自分を封じてる。封じてることすら忘れてしまうくらいにずっと。 それが正しいのか間違ってるのかもわからないけど、それがわたしに掛けられた呪いだから。 だから、ずっと封じ続けてる。 無力なわたしにできることなんて、せいぜいそれくらい…

庭いじり

暑い。暑いけど冷える。冷えるけど暑い。そんなこんなでここ数日、苦労が絶えません。えへへ。 今年は5月にツバメが家の南西の角に巣をかけて、微笑ましくもくるくる飛びまわっていたのだけれど、なにかに襲われてしまったのか、ある日突然抜けた羽一枚残し…

忘れる

時々は、ふっと思い浮かぶなにかがあったりするのだけれど、大抵次の日には忘れてしまう。思い浮かぶ何かを覚えておけなかったり、自分ひとりの心に向き合う時間が持てなかったりするのって、たぶん大方何かの呪いに違いない。子供のころに殺した蟻の呪いと…

日活ロマンポルノはわらじとんかつの味

今日でゴールデンウィーク終わり。 ゴールデンウィークって、なんかやすでのポルノ映画のタイトルみたい・・・ちぇっ、わらじとんかつでも食ってろよって感じ・・・ ゴールデンウィーク→昭和ロマンポルノ→わらじとんかつ・・・・??? みたいな思考の道筋を…

ろくなもんじゃない。

全然なんにもかかないから、すぐに広告が表示されちゃう。今日は海蛇みたいなしましまのニットタイ。仕組みはわかっていても、何となくこの広告見ると、心の中を見透かされたみたいな気がしてちょっと嫌なんだよね。いずれにしろ、わたしの心の中なんて、ほ…

敏感でも利口でもないけれど

敏感で利口な人には、人生がやさしかったことなど一度もありません。(小林秀雄) 淡々と優しく、凛と美しく、欺瞞も偽善もない潔さ。この言葉で救われる人が、この世の中にはきっとすごくたくさんいるんじゃないだろうかと、ここ数日ずっと考えていた。

おかあさん

喉が痛い。 喉の右側が右の鼻の奥と繋がって、その右の鼻の奥が右の耳の穴の奥と繋がって、なんだかもう大変な騒ぎなのだ。 あの子からうつったのか、職場でひろってきたのか、己が身からわいて出たのか。 もうだめって、ぱたんとダウンしてしまいたいんだけ…

耳の蓋

耳の蓋が開いてしまうと、誰かに自分を乗っ取られそうでちょっとドキドキする。って、この感覚をきちんと誰にでもわかるように説明するのは難しいんだけどね。 でも、多分耳の蓋って、自分の核みたいなものを、自分っていうもの以外の、すきあらば浸食侵入し…

つづかない

お話は続かない。だけど人生は続いてく。オブラディオブラダ。いつかは終わるんだけどね。 つづくとか記憶とかをビールの泡がしゅわしゅわ界面まで運んでぱちって消してく。黒猫のしっぽをぱちんて大きなはさみで切るみたいに。しゅわって、何になったんだっ…

口唇ヘルペスにオロナイン

何年かぶりで口唇ヘルペスができた、というかできかけた。 あの独特の唇の端の違和感に鏡をのぞくと、そこにはとても小さな小さな口唇ヘルペスの赤ちゃんとでも言うべき、あのいわゆる「ぷつ」的なものがあったのだ。 つづく

あの子

愛さなかったから愛してしまうという罰を受けているのだろうなと思う。歯には歯をみたいなね。神様ってシンプルで直線的で。それから残酷。 あんまり毎日あの子にかまけていたから、なんだかわたしもう自分のことすっかり忘れちゃったみたい。それが正しいの…