2004-07-01から1ヶ月間の記事一覧

なるほど地球はまわってる

「あの子のこと考えると口の中が甘い味の唾液でいっぱいになっちゃう」ってわたしが言ったら、「気をつけろよ。お前お母さんに食われちゃうぞ」って。 でもほんとに甘いつばが沸いてくる。仕事帰りの車の中あの子にもうじき会えるって思っただけで。 好きっ…

そう表現してもらってもかまわない

夏。 毎週末の夜、あの子の剣道の練習を見学しているといつの間にかあちこち蚊に刺されてしまう。腕や足や、果ては肉の薄い指の部分や、Tシャツの隙間から入り込んだのか背中までも節操のない貪欲な吸血虫たちは容赦なく食らいつく。 ふっとメントールのにお…

はらぺこ

ええい、誰が無断転載なんかするもんか!するわけないじゃん。読んだだけでも損しちゃった気がしてんのに。なんてやさぐれ心でネットサーフィン。それにしたって無断転載禁止って書いていい人といけない人といると思うんだよ、そう思うんだよ。思うんだけど…

わたしみたいなあなたは誰ですか?

花火の夜。早めの夕食の支度をしながら去年の今頃をふと思い出す。そうかそんな時期だったんだなって、何もかももう忘れてた自分に少し驚く。忘れたいことや忘れたくないことや、忘れたほうがいいことや、忘れないほうがいいことや。でもみんな同じく忘れる…

いわし雲

少し散文的な人間になっているんだと思う。それが疲れてるせいなのか、暑さのせいなのか、冷房で体が痛めつけられてるせいなのか、よくわからないけど。 なんて言っても隣の席に座ってる気分屋の上司は書類の中の文言に決まって「こんな情緒的なことを書きか…

肩をぬらす

ノースリーブのTシャツから出た肩に、落ちた洗濯バサミを拾おうとした弾みに露出した背中に、雨は思わぬほど冷たく気持ちよく艶かしくポツリと落ちてきたので、ハッとしたわたしは乾ききらないうちに洗濯物をしまわねばならなくなった恨み言を空に向かって…

半跏思惟7月8日早朝わたしだけの弥勒

ランチタイムトーク。 「今度生まれ変わるなら男と女どっちがいい?」って。 「女」 「うん、わたしも女」 「そうねやっぱ女」 「女」「女」「女」… だけどわたしは「男もいいかな」って。 そしたら「でも女のほうがたくさんおいしいもの食べさせてもらえる…

ヒーロー

殿中でござるか?そのようでござるな、なんて言いながらあの子の袴の裾丈をあわせる。くるくるくるぶしのあたりで上手にあわせないと面を打ったときに自分で自分の裾を踏んで転んじゃうんだよ。だけど短すぎるとかっこ悪いしね、ほらこれくらい?あ、針つい…

神様7月です

テレビ画面の片隅のデジタル表示の時計の数字がぱたりと回転して変わった。こんな風にして時間は過ぎ地球の自転をこっそりと推し進めているのだ。思わずにして時間と目が合い秘密を盗み見てしまった気がする。秘密だよ、って、時間がこっそりウインクする。…