2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧
土曜の午後の図書館はひどく混雑していて、老若男女の動く音やら潜めたばかりに余計耳障りな話し声で、なんだかまるで銭湯のようにざわざわと騒がしかった。といっても、銭湯って最近そんなんに賑やかなんだろうか?自分で自分の比喩に疑問を持つ。時々わた…
V字に交差したいつかの飛行機雲が北西の空でだらしなく弛緩しかけて、その鋭角の部分にすっかり生気を吸われて悲しい惑星の残骸に成り果てた白い月がなす術もなく挟み込まれてた。朝。ひどい晴れ。こんなひどく晴れた冬の朝にいつかわたしは何かを忘れてし…
よろよろのよれよれなのでよろよろよれよれしていて晩御飯も作らない。作らないでおいたら作ってもらえたからラッキー。お腹ペコペコだと思ったけど意外に食べられない。耳の奥が妙に痒くて、でもどうやっても痒いところに届かなくって、こういう時って耳の…
ブラインドの隙間から光がちらちら踊るのを視界の片隅で微かに気に留めながら、指先の感覚だけでタイプされるキーとディスプレイに躍り現れる文字とわたしの脳みその中で構築されている文章との間に正しい相関関係が成り立っていることの確認に意識を集中し…
せきらら、って平仮名で書くと、きらきら星みたいでなかなかだと思う。赤裸々って漢字で書くと、裸々の部分がちょっとエロチックだったりゴシップ的だったりで立場として微妙だと思う。だけど結局何を赤裸々に何を話せばいいんだろう。 結局は、いつもそこで…
なんだか時々この世の中の色んなものが呪いに満ち満ちているように思えどうにもこうにも八方塞がりのような気持ちがして困ったりとか。そういうのって随分非科学的な根拠のない予感というかひらめきというか思い込みというか勘違いというかなんというかかん…
子供だった頃、道端の水たまりにはなぜかよく油がういていて、あざとい虹みたいに 水たまりのなかでうねってた。 腐った魚のはらわたの酸えたにおいを涙に咽ぶほどよろこんで胸いっぱい吸い込むみたいに、わたしは水たまりの中の貧乏臭い虹をじっとみつめ、…
スーパーの駐車場に車を止めて空を見上げたら飛行機雲が×印みたいにクロスしてた。互い違いな方向に飛んでいった飛行機のそれぞれの操縦士のことを少しだけ想像する。この広いような狭いような世の中にはいろんな人がいろんなことをてんでに勝手に考え望み…
なんかまたもや唐突に退屈が訪れた。退屈はいつも唐突にやってきて、広げた新聞紙の上に的確にお尻を収める猫のように正確無比、はずれなくわたしの心をとらえてしまう、うふ。うふ、って言った自分が自分でちょっと気持ちが悪い、気持ち悪いけど言っちゃっ…
思い出のことを考えるときにはたいていぼうっと何かを眺めていて、思い出はたいていあぶり出しで、その眺めている何かのむこうにぼやっと浮かび上がってくる。でも時々はうまく浮かび上がってこられなくて、薄く広がるインクのしみのようなあやふやな輪郭だ…
ジョニー・デップが好きなんだけど、というかキャプテンジャックスパロウが好きなんだけど、松山ケンイチも最近好きで、何が好きかって、なんかセクシーなとこ。セクシーとかこの日記には似合いませんよとか思ってる紳士淑女の諸君、時々はこの日記にもセッ…
連休明けの一日はなんだかあっちからこっちからりんりんらんらんやいやいえいえいと、てんでに色んな申し立てがやってきて、やっとこやっとこ繰り出してきやがるおもちゃの兵隊のごとき騒ぎを何とか収めようよう家に帰り着き、飯などつくり風呂に入り後に飯…
「ねぇ一緒にガンダムやろうよ」っていうあの子の誘いを断って、今朝は一週間ぶりの日記を書こうと思い、実際思うだけでなく結構な文字数を書きかけたのだけれど、なんだか途中で面倒くさくなってバッテンボタンでウインドウを閉じて、結局あの子と一緒にWi…
リビングのドアを押し開けて廊下に出たら、ものすごい勢いで目の前の宙を猫が飛んでいった。なるほど猫は空を飛ぶのかと感心する2008年1月最初の日曜日にして冬休み最後の日曜日。一体このねじれの日曜日のどちらの側の顔を信じたらよいのだろうかと少し哲学…
猫の毛もパチパチ静電気を放つ1月。 たくさんの断片的な話を母から聞く。わたしが子供だった頃にはタブーだったようなことも。まるで映画のような人生を送った人たちのことを、お正月スペシャルみたいに母から聞く。 「そういう話は誰も私にしなかったんだ…