2013-01-01から1年間の記事一覧

何かの陰謀?

台風の過ぎ去ったあと、木の根もとで小鳥が静かに目を閉じて死んでいた。意外にも幸せそうな顔で。幸せだったんだろうか。わかるわけない。 ポストのわきに干からびた雀の死がいが落ちてた。翌朝風がびゅうとふいて干からびた首から上をからころ飛ばして、そ…

あの子の秘密

あの子は秘密を守るために、とても消極的な嘘をつく。だからわたしもいっしょに消極的な嘘をつく。わたしはいつだってあの子の味方だし、あの子とわたしはいつだって仲間だから。 世界は突然逆転をはじめるから、何が正しいのかなんてほんとはだれにもわから…

くまのぷーさんと一緒にね

マンションのごみ捨て場の電柱の脇に、片腕をもぎ取られた小さなテディベアのストラップがこれみよがしに捨てられてたから、なんだか今日は朝からとってもハードだななんて思っちゃった。茶色の毛並みで首にリボンをつけてるかわいいテディのくまちゃんが、…

洗濯物の次は晩御飯の支度へと、そうして生きることは綿々と続くのだ というテーゼをかかげる土曜日

炬燵で眠ってめざめたら子供の頃の思い出が走馬灯のように頭の中を駆け巡ったので、死ぬのかなと思ったけれど、しばらく待っても一向に死ななかったので、やはり死なないらしいと思いなおし生きることにした。 何時だろうと壁の時に目をやるともう5時過ぎで…

猫の茶碗

「たち別れ因幡の山の峰に生ふるまつとし聞かば今帰り来む」 猫がある日突然いなくなった時は、木曽の御嶽山の赤猫の修験者のところへ修業に行っているのだという話を本で読んだことがあります。そうしてその本には、この和歌を短冊に書いて、いつも猫がご飯…

いきつもどりつ

昔のことを思うのだ。乳白色に濁った風呂の湯につかっている折になど、ぼんやりと。 つまらない繰り言を心に何度も反芻しては、やがては心がだだ洩れる。ぼそぼそとした呟きが、風呂の湯をますます白く濁らせる。