2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

19歳の夏の初めの空気

その頃わたしは学生専門のアパートで一人暮らしをしながら、地下鉄で一駅のとても急な坂道を登った先にある学校に通っていた。その学校のすぐ隣には教会があって筋を挟んで男子高、そうしてわたしの通う学校を挟んだ反対側には女子高があった。最寄の地下鉄…

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見上げれば空は随分綺麗に高い青に澄み、陽光が柔らかな新緑の葉の葉脈の道一本一本を命のような強さで駆け巡る清新な水分の一粒一粒全てに反射しきらめき、それが眩しくてまるでみていられない。朝。

詩的な物欲

遠足用に新しいリュックと、それからアキレスの瞬足とTシャツと靴下を買ってそれから隣接するシネコンのチケット売り場でクレヨンしんちゃんのチケットを2枚買う。まだ時間があるからいいでしょとか何とか言い訳しながら今度は自分の靴や服をあれこれみて歩…

モノトーンの春

1週間の発熱の後、相変わらず体調はすぐれず咳をこほりこほりとする毎日、お腹は空けどもさほどの量も摂取できず食欲低め安定。せっかくの連休前の夜なのに一缶ビール飲んだだけでもう喉までいっぱい面白くもない。こいつはきっと忙しすぎの仕事のストレスだ…

たいていはそこは百貨店。

夢の中で乗るエレベーターはなぜかいつもものすごいスピードで落ちてゆく。それはもう決まっていて、そうしてそれが100%の確立で落ちるのだということ を知っていて、それでもわたしはどうしたってエレベータに乗るのをやめられない。それがわたしがいつも…

前衛創作料理

なんだかよくはわからないのだけれど兎にも角にも女同士の交際といえばランチが基本であって、イタリアンやら創作和風料理やら前衛創作料理やらなんやらか んやら、女性の好みそうなムードのお店のランチタイムは少し、若しくはかなりウエストサイズを気に…

気づかない

黒に金の縁取りの正方形のお皿に真っ赤な苺を盛り付けたり。庭の片隅の植え込みの根元に落ちる枯葉を無造作に掻く熊手の先に、可憐に咲く紫青の花びらが散 り落ちたり。アスファルトにぺっちゃんこにはりついた、かつては温かな体温を持った猫らしきものの…