2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

さよなら

この子はなんて澄んだ綺麗な目をした男の子なんだろうってそう思う。わたしの名前を呼びかける静かな声のトーンがとても不思議だと思う。それでわたしはどうしてあげたらいいのかなってそう思う。そう思ってもどう思っても結局よくわからなくってそれでもう…

屁こいた

あの子と二人お風呂に入っていつもみたいにいろいろくだらない遊びをしてたらあの子のお尻のあたりからぷくぷくぷくって泡が出てくるから思わずおかしくなっちゃってそれでわざと大きな声であー屁こいた屁こいくさあいくさあいってからかって、そしたらあの…

この世に生まれてきた以上

たくさんの子供たちの中から探し出したあの子の可愛らしい顔をずっとズームで追いかけて撮影してて少しだって油断したらすぐにカメラがぶれてあの子の姿を見失っちゃうからそれだから手だってちっとも動かせないし子画面から目だってそらせられないなのにそ…

ウインドウズ95

曇天時々恋愛まじり時雨かけるけど時雨れない、そういう感じをキープ。微妙なバランスを保つのが上手?じゃなくてバランスを崩すのが下手なのかも。暮れかけた空の中に少しの青空を見つけて驚く。夜の空は群青色じゃないんだよ。本当は普通に青空、昼間と同…

テュリャ

職務上知りえた秘密に驚く。ががびーん。いつも自分のことにばっかり一所懸命でいるからついつい誰にもそれぞれの人生があるんだってことを忘れてしまうのが人の悲しいSEGAじゃなくて佐賀でもなくて性。だけれど何だかそれをリアルに感じた今日という日。少…

エコだよエコ

眠れない。ゆっくり羊を数えてみる。羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹。そうしてやがて羊はくるくる回り始めくるくる回って回りすぎてもう一体何匹いるのか数えることすらできなくなっていく。 午前二時。 「眠れないの?」あの子の気配に問いかける。「うん眠…

賢い猿

どこかから賢い猿がやって来て教えてくれるといい。 その夜、猿の代わりに雷がどしゃぶりの雨をつれてやって来た。 北西の空、灰色の雲の上の稲光。ピカッと光った瞬間ほんの少しだけ灰色の雲の中身までが透けて見える。耳をつんざく大音響と凄まじい閃光が…

マナーでしょ

ずいぶんたくさんの強い雨粒が窓を打ちずいぶんたくさんの雷鳴が響いたのでそれでわたしの心はすっかり悲しくさめざめとしてしまいもうこの入り組んだパワーポイントの図表のことなんかどうでもいい何もかもをふいにしてもかまわない、あの子のいる学校へと…

きつねこ

Firefoxのテーマを本日 「Red Cats 猫がいっぱい」に変更。分度器の次に猫が好きなわたしとしては、分度器の次にこのテーマを気に入っています。戻るの猫も更新の猫も中止の猫もホームの猫も履歴の猫もどの猫もこの猫もことごとくお尻を向けてるのがいい。猫…

ひとりごとのキッチン

連休二日目の朝、眠りこけて油断している間にすっかり溶解しきったわたしの精髄と、ベッドにだれっと横たわるわたしらしきものの形骸との間にすっかり冷め切った夫婦のごとき埋めがたい隙間が生じていたようなのだった。 ふぅ、それでしばらく起きられなかっ…

窓をしめる

空想の世界にしかいないような異形の生き物が、器用に吊り下げてた紐をばちって鋏で切ったみたいにどこかからこの世界に黄昏が降ってくる。闇が落ちかかる。うっかりあそこの交差点で左折してしまったらトワイライトゾーンみたいにきっとおかしな世界に組み…