2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

スケルトンな春

忙しすぎて頭のなかの回路がショートする。こんなにも華々しく火花が散ってるのを自分ひとりで楽しんでるのはもったいないからいっそ頭をスケルトンにしてみようかな、春。

傘をまわす

傘をさすといつも自然にくるくる回しちゃってそれが子供じみてて馬鹿みたいって事にすら気づかないくらいぼんやりしてるそんな風なんだってこと最近になってようやく気がついたの今更だけど。そういうのちょっとずれてるって思われたりするんだってこともよ…

それから

あのこと二人で電車に乗って。それから乗り換えて。それから窓の外を見て。それからあそこに見える大きなぴかぴかあかりが光ってる橋いつか車で通ったことがあるよねいつだっけどこにいったときだっけって思い出話をして。それから少し行列して。それからた…

スナフキン

偶然に通りかかった知らない街のどこかの家の玄関口から橙色の明かりが漏れているのを目にした時、さめざめと心に何かが染む心持がして哀しいような優しいような懐かしいようなそこが幸せのふるさとのような温かい夕餉を囲むささやかな家族の笑い声を聞くよ…

自問自答

読み方を間違えられていて、連続3度おかしな名前で呼ばれてしまったのだけれどそれでも訂正もせず3度とも「はい」と笑顔で返事をし続けている自分のことを優しい人間なのかそれとも冷たい人間なのかと自問した結果、多分ちょっと冷たいですと自答する。 バ…

牡丹餅

母が作ってお重に詰めた牡丹餅はまだ少し温かみが残っていて、それを緊張してささげ持つ幼いわたしの小さな掌にも、その優しいぬくもりはお重の底を通して確かに伝わってきた。そっとひっくり返さないように居間の机の上に置く。ことり。遠い記憶。お彼岸。 …

ポケットの裏側にくっついてた埃まじりの主張をつまんでゴミ箱に捨てる3月20日の無意味に冗長な朝、無意味こそに意義があるのだよとハンプティダンプティは言った

たまには何かを主張してみようかな、えーっと一応すごいちゃんとした意見とか持ってそこそこ見識もある、時々はゆで卵なんかも茹でたり食べたりしちゃう、そんなきちんとした人間なんですよ、ってとこ主張してみようかなって思ってみたりするんだけれど、や…

たり

ブロックスはゲーム。コーヒー売ってるのはブルックス。です。念のため。 花粉が少し恐いけどアレルクリーンをしゅーしゅーしながら布団を干したり。干しながら空を見上げると2本の飛行機雲。よくもあんなにまっすぐ飛べるもんだよね、なんて少し意味もなく…

?

ねぇ、きりはどうしてできるの?霧は冷たい空気と暖かい空気がぶつかりあってできるんだよ。 そうなんだ。ふーん。おとうさんはどうしてなんでもしってるの?ははは何でもは知らない。うそなんでもしってる。いつもなんでもこたえてくれる。最後の言葉はこっ…

合計2票

線香花火の最後の丸い玉みたいに西の空に夕陽が赤く焼けてぽんと放り出されてたのを見ながら明日の朝のパンを選ぶ。チョコレートを練りこんだパン。 魚の形の小さな豆乳ビスケットをお皿の上によっつ並べる。永遠に繋がり続けるようにぐるりな円にして前の魚…

いらない

何だか今日は寒くてエアコンの設定温度を随分上げたんだけどちっとも暖かくならなくて厚くて暖かい服を着込もうかなって思うけど思うだけ、薄いカーディガン一枚はおっただけでまたエアコンの温度を上げてるピピ。それからキシリトールガムを噛む。噛んで噛…

帯電

何だか奇妙にあったかく春めいてしまった朝に舗道を勢いよく短いスカートをなびかせて自転車の女子高生が乾電池みたいに並列に走ってわたしを追い抜いて行ったんだけどよく考えたらあったかくても寒くてもどっちにしろ女子高生のスカートは短いんだったっけ…

背骨

インスタントコーヒー好きなわたしだけど今日はもういつもの壜が空っぽ。壜越しにほらテレビが見えちゃうよほらほら、なんてくだらないこといいながら仕方ないからこの間どっさりもらったブルックスコーヒのドリップバッグをがさごそ取り出して電気ポットの…

アジアなわたし

歯医者の診察台で2度眠りこけそうになる。「はい口を大きく開けてください」歯科医に言われて初めて自分が眠りかけてたことに気づく。ハンカチを握り締めお腹の上に乗っけた自分の手の温かみにうっとりしながら蓮の花にのってくるくる回ってるみたいないい…

マーブルチョコ

大好きなマーブルチョコレート。わくわくしながら蓋をあける小さな子供のわたし。でも失敗して中身を全部道端にバラまいちゃう。悔しくてたまらないけど「ふんだ。何ともないもんね」って顔して、アスファルトの上に色とりどりに散らばった、夢みたいに綺麗…

おにぎり

いつもは無言で歩いていく牛模様のでっぷりとした野良猫が、随分なだみ声でぶみゃぁぶみゃぁと鳴きながらただ事ならぬ気配をみなぎらせ、とてとて小走りに街を流してビルとビルの間の狭い隙間に入り込んでいったから、ふんふん、どうやら春が来たらしいな、…

しまって

くるくるフォークに巻きつけたミートソーススパゲティを口に入れながらふと目の前の鉢に盛られたポテトサラダを見たら何だか急に生きてるのが嫌になってしまって「何だかもう生きてるのが嫌になっちゃった」なんて呟いてみたんだけど、でも呟きながらそれが…