2004-10-01から1ヶ月間の記事一覧

顔さえ知らない誰かのために

あらわれては消えあらわれては消えてゆく。炭酸水の気泡みたいにくるくる回りながらずっと底のほうから静かに上がっていって、ほら時々は上手に回転しながら透明な金色に光り輝いて宝石のようでしょ?とても綺麗。でも最後はきっとぱちんと弾けてとんで消え…

ボサノバの日曜日

なんだかかきたいことがあるような気がするんだけれども、どうもうまくかけないんだからしようがない。猫が飲み込んだ毛玉をうまく吐き出せないみたいな感じ。シャープに削られたHの鉛筆をください。Bはだめ太すぎる。美容院に行って髪の毛を綺麗さっぱり…

たとえばお湯が沸くまでの数分の間に

ステンレスのシンクがぼこんと唐突な音をたてて、それでもわたしは黙って鍋の湯をこぼす。もうもうと立ち上る湯気に胸が顔が熱く湿るけど、湿気に滲んだ睫が虹の輪っかで視界をかすませるけど。 何か何か何か。人は何かを考える。湯を沸かしながら湯をこぼし…

もうすぐ冬が来る

「猫が爪先立って歩くみたいに過ぎて行くんだよ秋の夜はね。」そんな風に誰かがいつか言った気がする。だから確かに部屋を暖めておいたほうがいいんだろう多分。もうすぐ冬が来る。

書評欄

朝日新聞の書評欄をなんとなく読んでたら「唯我独尊の高みからバカどもを冷笑する…」なんていう表現があって端的な言い回しだなと、笑いながら納得してしまった。いろんな日記をこっそり盗み読みしているとそういう人はたくさんいる。そういう人を見て自分を…

そんなもの

今日も「Google」って打ったら「ごおgぇ」になっていたのでまぁ人生そんなもんかもなって思う。 天気が悪い。頭が重い肩も重い。台風が近づくといつもこう。いや、肩こりはフードのついたスェットのせいかも。きっとそう。着替えよう。 せめて少しでも気分…

しみったれた雨降り

しみったれた雨降りのおかげで街路樹から街路樹に渡されたスポンサーの名前の入ったお祭りの提灯もすっかり台無し。所在なさげに舗道の上に置き去りにされてた。でもわたしだっておんなじ。今日のわたしは60%が水分とあとの40%は心配事が詰まってでき…

右手の親指を前にして組む

微妙なずれを感じて、それはとてもとても些細で微かで目をつぶってしまえばそれですむことなのだけれどけれども一度気にしだすとうっかり右の親指を上にして手を組んでしまったときのようなどうしようもない違和感で何度も何度も首を傾げてしまう。違うとい…

虹の輪っか

眠たい。眠たいけど誰かさんが帰ってくるまでコーヒー飲みながら我慢して寝ないで待ってる。 銀杏並木のにおいと仕事帰りの夕日の低さで分度器みたいに季節を計る。いつの間にか季節がぐるっと一回りしていた。駅前のカーテンみたいな噴水の前にはいつも頭の…