2005-01-01から1ヶ月間の記事一覧
電車を乗り継いでやっとたどり着いた遠くの街。この街へ来るのは今日で4度目。それできっと今日で最後もう2度とこない。多分。 あっけないくらいあっさりと済んでしまった用に何だか肩すかし。駅前の鳩と一緒に豆鉄砲を食らう。くっくるっくるーくっくるっ…
ずっとずっとこの白い敷石だけを踏みながら歩いていこうって、子供じみたことを考えてるのを周りにたくさんあふれてる赤の他人にすら気取られたくなくて涼しい顔をしながらも白い敷石だけに神経を集中させながら歩いていく。だけど狭い路地を渡った向こうの…
しばらく前までなぞQooだったスクリーンセーバーを、先週くらいからタバスコダンスホールのスクリーンセーバーに変えたのでありますが、あんまりにもこのタバスコダンスが楽しいので待ち時間を1分に設定していて、ちょっと油断をしてよそ見なんかしてい…
しんとした夜空に宇宙の深部にまで吸い込まれていってしまったかのような星がひっそりと柔らかな粘度でそれでもかなり青く冷たく光り、この世界中のすべてを無音の底に沈み込めようともくろむ夜の神様が使わした盲目の蛇が静かにとぐろを巻きながら赤い目を…
ジョッキ片手に彼女たちの話を聞く。主に職場の人間関係とか。あんまり意見や忠告はしない。ただ聞く。うんうん。ずっと聞いてばっかりいると彼女たちのうち一人が言う。「ねぇ、でもマキってずっと仕事してて何もないの?何かこういう出会いがあったとか、…
ふと目覚めてしまった真夜中の暗い部屋の中、奇妙に覚醒したわたしの中の何かが邪魔をして自分のぬめった殻の中に戻れないままずっと輪郭をなぞり続ける。何とか自分がさっきまで入っていた体の中へこの醒めた自分を押し込めようとするのだけどわたしのもの…
ねぇもう遊んであげないからね、なんて遊び相手になってあげないわたしに文句を言いながら結局眠り込んでしまったあの子の頭をそっと撫でてそれからおでこをくっつけてどうしてこんなにも愛しいんだろうなんてやんなっちゃうくらい平易な感情がぐるぐる喉か…
音楽教室の駐車場に車をとめてぼんやりしてる。暇だからゴムまりを持ってるみたいな手の形をしてみせて気功ってどうやったらこんな手のひらから不思議な力を持った気が出てくるのかなとかちょっと考えてみる。でも本当にあの子の顔の近くに手を持っていくと…
「ねぇこれはゲンジツなのそれともゆめなの」お風呂上りのあの子が体中からいい匂いのする湯気を昇らせながら言うからわたし少し感心してしまう。「そうねきっと現実だと思うけどでもどうして?」タオルを広げてあの子の体を包み込む。「だってこれはゆめだ…
朝の駅は葬列のように混沌とした静寂に満ちている。それぞれのベクトルの指し示す方向へ移動するためにだけぜんまいを巻かれたようなのっぺら坊人形たちの群れが、それでもまだ少しは血の通った人間に近そうなティッシュ配りたちが突き出す拳を最小限の動き…
連休最後の朝のシネコンは思ったより混雑しててチケット売り場の列に並んでぼんやり眺めていたモニターの近日公開メイキング映像および挿入歌に少し泣き出しそうになる馬鹿みたいなわたし。「インクレディブル大人と子供一枚ずつ」なんて醒めた風で言いなが…
あの子は安楽死しなければならないらしい。わたしにもそれをどうすることもできない。わたしの母があの子にそのための注射をしようとする。それを察しなんとか逃れようとするかのように横たわったあの子が弱々しくも懸命に顔を少し上げ、「お母さんいちごが…
待ち合わせの人を探す駅ビルの中あの子がパン屋さんの前で立ち止まって独り言みたいに言う。「いいにおい」まるで夢みたいな顔でパン屋さんの中を見ているから思わず「買っていく?」って言ってしまって言ってしまってから少し後悔する。こんなところ通らな…
遅ればせながら初詣にお稲荷様へ。結構混んでて駐車場に車を入れるまでの渋滞のろのろ運転でそこそこ疲れる。車を降りたつと脇に立ち並ぶ出店にも目をくれず人ごみをがっしがっしとかきわけて、というのは嘘で店々から立ち上る湯気と匂いにいちいち目を奪わ…
日本に生息するお母さんの約85.69%くらいは年末年始になると自分の息子に牛肉やら蟹やらをたらふく食べさせることに執念を燃やし、帰り際にはうんざりするほどの食料やらなんやらを持たせることを生きがいとしているのである、とかなんとかどこか調査…