2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

おまけみたいに幸せにした

買い物を終えて外へ出たら雨上がりの濡れたアスファルトにお店の電気看板の光がうつってた。綺麗に舗装されて、でこぼこったらほんの少ししかないから水溜りもほんの少し、うつる光もほんの少し、お財布の中身もほんの少し。あれ買ってこれ買ってって、あの…

簡単じゃない

結局のところ、メタボの親父といえば、あの子が生まれたあのときにたった一度っきり、いいことを言っただけで、その後は決していいことなど言うこともなく、ただひたすら着々とメタボ化をはかり現在に至り、あろうことか今日の朝は免許証と定期券の入ったパ…

引力を呪う

すごく迷信深くて、ひどくデリケートで神経質なんだけど、ハーフ&ハーフで無神経でぼんやりしてたりするからちょっと自分でも持て余す。感情の紆余曲折がねじれ捻れてねじれすぎて平坦になってしまうのか、それとも感情の帯のどこかに落とし穴かなにかが掘…

猫飼いも犬飼いも同じ

猫飼いも犬飼いも同じなのだと思うのだけれど、人は誰でも拒否される心配もなく、誰に遠慮するでもなく、安心して思うがまま存分に愛情を注ぐことのできる対象が必要なのに違いないのだよ。多分ね。それだからこそ、人は猫を飼い犬を飼いフェレットを飼い、…

猫飼いにも思想が必要

猫を貰うの貰わないのケージを買うの買わないので今日いちにちは慌しく暮れ、夕食ったらインスタントの塩ラーメン小松菜入りと椎茸のから揚げだけ。置き去りにされた箱に入ったままのニャンとも清潔トイレと組み立て途中のキャットタワーが物寂しげに暗闇の…

そんなには遠くへ行かない

賢い猫のようにくるりと宙返りをして柔らかく着地をしたらぐるりの世界がひとめぐりして、それからどんでん返しに変わるかも。跳び箱でも飛ぶように助走をつけて試してみてもそんなには遠くへ行かない、かもね。試さない。一年ぶりの銀杏の翡翠の色がどきり…

あのさぁ何にもわかってないのかもしれないけど

続きさらにまだ続くけどのつづきです あの子が退院してきた日の夜写した一枚の写真を見るたびに今も思い出す。 「ねぇほら見て、こんなだよこんなに小さい。5本の指全部合わせても、僕の人差し指の第一関節分しかないよ」あの子を抱っこしながら、嬉しそう…

結局、文字にしろ言葉にしろ

結局、文字にしろ言葉にしろ、他人に伝えることのできる何らかの媒体に自分の想いを変換したり押し込めたりする作業の大半は、その過程に意味があるのだし、10のうち9.7くらいまでは自分自身のためにしていることなんだろう。簡単に人に話せる過去の出来事…

じゅわ

まじないに頼ったり縁起をかついだり時々は息抜きに落語をくちずさんだり。そんな繰り返しに今日も陽が落ちて。ビールの泡も所在なさげに、じゅわ、くらい。じゅわ。うまく話せない。

嘘と卓上コンロの火とおなら

急に冬が来て冬の風が吹き始めて庭の木が揺れて木の実がころころ落ちて、道行く猫たちですら迷惑顔で倉庫の陰や塀際をこっそり歩いてそそくさと消えてった。 空のずっと高くはもっと難儀に違いない。ジェットの風が厚い灰色の雲をどんどん吹き飛ばしていく…

つづき、さらにまだ続くけど

11月15日 「うまれでたあの子は」 のつづきです。 あの子が保育器から出た翌々日、わたしは予定通り退院で、あの子はあと1週間を新生児室のベッドで余計に過ごさないといけないと、小児科医が説明をしていた。「一時は肺炎を起こしかけていて、新生児にとっ…

てんびん座のあなたは

てんびん座のあなたは疲れちゃって体調悪化おっとっとみたいなことを朝のめざまし占いが言ってたのを、ほへ~と思いながら聞き流してたけど、あ、珍しくあたりです。ヘロヘロホレホレポレポレパレパレ。 毎年この時期になるとボジョレーヌーボを数本携えて…

産まれ出たあの子は

産まれ出たあの子は一言の泣き声もあげず、大慌てで抱きかかえて小走りに向こうのほうへ行く看護師さんの腕の隙間からちらりと見えた体はひどくまだらに紫で、硬くこわばった小さな腕と手と足が、ああなんだかきっと大変なんだなってわたしに思わせたけど、…

誕生日

仕事帰りにスーパーでキムチ鍋の材料を買い込み、それからおとぎの国のお城みたいに素敵なケーキ屋さんで、研修中って書かれたネームプレートを胸につけた随分綺麗な女の子から予約していたバースディケーキを受け取る。建物も働いてる人もショーケースもデ…

送信した社内メールの返信に「件名の頭に [spam]ってついてたけどこれわざと?」ってかかれてた霜月サーティーンちょっぴりお気の毒なわたし。涙。

「来週の○○さんは?」なんて出張中の親分の来週のスケジュールをきかれてちょっと噴きだす。さぁて来週の○○さんは?じゃんけんポンんぐ、んぐんぐ、とかサービスでサザエさんは愉快だな風に返事。 仕事の合間にケーキ屋さんに電話電話また電話。今日が定休日…

夕陽ぐるりと回りこんでわたしの右手を赤くした

水の上をずっと続いてく道を走りながら、一体どうやってこんな道作ったのかなって不思議に思う。水にもぐって濡れながら工事したのかなとか、すごいアナログな想像。暮れごろの空はどんな季節のどんな天気のときでもすごく綺麗だから、今日みたいに自分で運…

「子育てなんてみんなそう」全然つまんない人みたいに普段は思ってた50過ぎのおばさんがほっこりとした笑顔でそう言った。

いつだったかもう数年前のことになるのだけれど、あの子はとてもつらい気持ちでいた一時期があって、そんな或る日、わたしは、あの子と二人晩御飯を前にして、「人間ね、どんなことがあったってご飯は食べるんだよ。ご飯さえ食べてれば、どんなことだってき…

賭博者 (マキコエフスキー著)

最近耳にする歌ときたら、なんだか古くなって個包装のビニール袋にくっつきはじめたべたついたキャンディーみたいか、それでなきゃ、やけに説教臭くて、あいつら若いけど本当はきっと痛風持ちかなんかに違いないなんて思っちゃうようなのばっかりだよな、な…

神様は少々呆れてる

待つ、って心がよじれそう。待ってると、どちらかといえば想像は悪いほうへばっかり傾くし、気もそぞろで心にやすりでもかけられてるみたい。息がしづらいような真空のような芯がぐにゃぐにゃになってしまったような、まったく身が苛まれるから、もう金輪際…

サンドイッチと飲むヨーグルト

お昼の休憩が終わってマイカップを洗って部屋へ戻ろうとしたら、ちょうど明日から来週いっぱい出張に出たきりになってしまうので、その前に、あれやこれや承認書類等々を片付けておかなければならない、けれども今日一日ほとんどずーっと会議予定だから仕方…

先週でんぐり返って出て行った

あの子のために何かを信じようとするのだけれど信じるということは意外に難しく不安定な場所でずっとバランスを保って待ち続けなければならないような感じ。まるで苦行僧みたいだったり殉教者みたいだったり。それともサーカスの玉乗りみたいかもしれない。…

胸が饐えてしまうくらい

眠れば夢を見るのだけれどもあまりに深く眠ってしまい夢すら意味を持たないそういう夜を幾つも過ごす。随分闇が濃密で寝返りですらねばつくのだ。どこかに入り込んでしまわぬように狐とぺんぎんと犬とがまがえると目玉の親父のぬいぐるみをベッドに持ち込ん…

常識を重んじる月曜日

反対側の車線の真ん中にまだ新しい何かの生き物の残骸がはりついていた。通り過ぎながらそれが一時間前には一体なんだったのか見極めようと目を凝らす。そんなこと何の意味もないのに。だけどあきらめてしまうにはその生き物の残骸はあまりに小さく新しく、…

パートタイム・ラバー

高校時代から綿々と付き合いの続いている友人が最近いつになく頻繁にメールを送ってくる。主に高校時代付き合ってた彼氏の話。そんなジュラ紀のお話みたいなこと何でいまさら?なんて思ったりもするけど、つまりはきいて欲しいってことなんだろうからまぁ聞…

ちょっと遠くて嘘っぽい

芋虫の体の中みたいに濃度の高いねっとりとした思考が頭の中を支配してるからなんだか、のたくらとしか動けない。それは少しだけ官能的ですごく感覚的に 過ぎるみたいでひとにはうまく説明できないことなんだけど、どっちにしたってそんな個人的なこと説明…

この世からまたひとつ秘密が消えちゃった

3日間ほど出張に出たきりの上司が、新幹線のホームっぽいところから電話をかけてきて「机の上においておいたデータ、あれで資料完成させておいてくださいね。で、出来上がったら13部 コピーをお願いします。」とあれこれ仕事の指示をし、最後に「それからペ…