2004-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ボディアンドソウル

地球があまりに早回りに時間を刻むので自分が実は経験したことすらない思い出の中にすっかりつかってしまいどうにもならない懐かしさにひたり身も心もとらわれぐずぐずになってしまった。でもそれは怒りの感情よりだいぶマシに違いないからそのまま素直にぐ…

かちっ、ぽん。

善男善女の油断を誘う策略と再生の予感とが奇妙に混在しつつ光り輝く春の朝です。ここぞとばかりお尻の穴を見せびらかしながら尻尾を高く差し上げて歩く黒猫くんおはよう。今日も一日猫せんべいにならずに過ごせるといいね。ところで再生ってなんだっけ?そ…

ある朝 象を見る

明け方まだ暗い部屋で電話が鳴るから何だかドキッとして起き出してそれから受話器を取って「もしもし、うんわかった」ってそれだけ言って電話を切る。「ふっ」ってスタッカートでため息ついてパジャマからジーンズに履き替えながらベルトのバックルが冷たい…

親指の指紋は巻いてるのか?

なんだか今日はちょっと不機嫌。わたしって結構怒りっぽい。どうしてって大らかさだとか凡庸さとセットになったその裏返しの無神経さが嫌いだから。こういう怒りっぽさって人間の出来が悪いからかもしれない。そうかもしれない。そうでもいいや。出来が悪い…

昼休み

あったかくなったから多分春。だからお昼をさっさと食べてお散歩してくるねって外へ飛び出した。あれこんなところにこんな八百屋さん?まるでエアポケットみたいな街角で丸々と太った春の大根としゃきんと綺麗な小松菜を買う。それが重たくって散歩どころじ…

大きなことばかりに目を向けているから物事の本質をつかめないでいるって病気

大きなことばかりに目を向けているから物事の本質をつかめないでいるって病気。 色んなものの雛形が自分の心の中にあるんだけどそれがあんまりちっぽけでかっこよくないから目を逸らしてるんだね。でも大きなことにばっかり目を向けてどんな立派な見識を並べ…

休みの朝はインスタントコーヒー

誰かの書いた日記を読んでいたのだと思う。でもそれは読むたび目で追う文字がほろほろ変わりどんどん意味が変わってゆくから理解することも難しく、仕事中にすっかり眠り込んでしまい誰かに起こされて笑われる。それから家に帰ろうと思うのだけれどなぜかい…

春祭り、ぬるむ。

多分春祭りがあるのだ。 どこかで天空に鈍く響き渡る鈍い音がする。どぉんどぉん。それはとても無表情な音だけど多分あの音がもっと大きく頭上で鳴り響いているあたりではちっとも無表情な音には聞こえないのに違いない。いびつな形にひどく尖らせた期待感や…

連結散水スプリンクラー消火区域図

信号を待つ間地下駐車場の入り口に貼り付けられたプレートの「連結散水スプリンクラー消火区域図」をじっと見る。「連結散水スプリンクラー消火区域図」が何なのかなんてもちろんわかりもしないけどそれでもじっと見つめてて。でもほんとにわたしが見てるの…

第二の星を右に

月が大きく輝く夜はそこいらじゅうが白く光る銀の砂でいっぱいで家々の屋根や車のボンネットはうっすら雪が積もったみたいに見えるよ。知ってた? 「あれ?雪だよほらあそこの屋根に雪が積もってる」「ばぁかあれは月のせいだよ光ってるだけだよ」2階だてベ…

もくろむ

ポップコーンの匂いの充満する休日のシネコンの喧騒から逃れて車に乗り込む。走りだしたらすぐさま雨粒がポツポツとウインドウにいくつものシミをつくり間もなくそれはただの水からシャーベット状へと姿を変えた。ヒーターのきいた車内は暖かいけど外はかな…

宙ぶらりんでいるくせに

テレビで侍が殺し合いをしてるのを見てるうちにふっとここが自分の居場所じゃないことに気づいたから少し興ざめして急に何もかもがどうでもよくなってしまう。そうしたらもう麦チョコだってこれ以上はもうたくさんって思えて少しもおいしくない。って言って…

ねぇもしかして

ねぇもしかしてわたしが帰る時間になるといつもあの部屋のあの窓辺に座ってる?そういうのは苦手なんだけどだって上手に見送られる自信がないから。そんなにちっともかっこいい後姿じゃないしね。コートの釦掛け違えたみたいにちぐはぐな感じそう感じ。ひと…

ごまあんぱん

意外に短気だから朝一番でカラーコピー機がへまして紙詰まりしておまけに途中で用紙のサイズが変わったため云々だなんて見当違いで間抜けなメッセージ出した日にゃスカートの裾翻らせて回し蹴りの一発もくれてやる。のだ。 それで昼にはごまあんぱん。

公平なこと

頬っぺたを伝って落ちた涙の感触が思わずに生温かくて自分に体温があるってこと今更みたいに思い出したの。あれわたしってこんなに気持ち悪いくらい生あったかい人間だったんだってそれから体の中に流れてるのはやっぱり赤い血に違いない。黄緑色のねっとり…